魔法より、君に恋をする。
 第一演習区画は、想像していたより遥かに広かった。

 学院の北側に造られた巨大な結界区域。

 中央を水路が横切り、東側には人工森林、西側には石造りの廃墟が広がっている。

 高い観覧席には、生徒たちが集まっていた。

 今日は学院関係者のみ。

 それでも十分多い。

「本当に見られてる」

 リリアが観覧席を見上げる。

「今さら?」

 ノアが言う。

「多い」

「リリア、手振ったら?」

「嫌」

「絶対盛り上がるよ」

「もっと見られる」

「それが目的」

「嫌」

 セシルが笑う。

「緊張してない?」

「してない」

「ならよかった」

 反対側の入口から第二部隊が入ってくる。

 六人。

 三年生が三人、二年生が二人、一年生が一人。

 その立ち姿だけで、慣れているのが分かる。

「強そう」

 リリアの目が輝いた。

「嬉しそうだね」

 レオンハルトが隣で苦笑する。

「うん」

「頼もしいよ」

 中央の審判役教師が杖を上げる。

『両部隊、開始位置へ』

 六人が並ぶ。

 リリアは一度、みんなを見る。

 ノア。

 セシル。

 アレン。

 カイル。

 レオンハルト。

 そして結界の外、監督生区域にいるルシアン。

 目が合った。

 ルシアンが小さく頷く。

『春季実戦祭、第一日。午前第二試合』

 結界が閉じる。

『第十三部隊対第二部隊――救出戦』

 リリアは杖を握った。

『開始!』
< 166 / 296 >

この作品をシェア

pagetop