魔法より、君に恋をする。
 一方、森林。

「セシル、上!」

「見えてる!」

 ノアの風が木々の枝を揺らす。

 その一瞬で、セシルが踏み込んだ。

 剣が光る。

 木の上から飛び降りてきた第二部隊の生徒の武器を弾く。

「っ!」

「ごめんなさい」

 剣の腹で相手の腕を打ち、そのまま体勢を崩す。

「ノア!」

「はいはい」

 風が相手の身体を包み、地面へ固定した。

『第二部隊一名、戦闘不能判定』

「綺麗」

「セシルがね」

「ノアも」

「リリアに言われたかったなあ」

「あとで褒めてもらえば?」

「そうする」

 二人はすぐに走り出す。

「救助対象の反応は?」

「もう少し北」

「了解」

「セシル」

「何?」

「右から来るよ」

「何人?」

「二人」

「どうする?」

「逃げてもいい」

 セシルは少し考えた。

「救助対象が先」

「僕も同意」

「じゃあ走ろう」

「了解、王子様」

「それやめて」

「白銀の王子」

「ノア」

「ごめんって」

 二人は笑いながら森を駆けた。
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