魔法より、君に恋をする。
 午後。

 第一演習区画。

『春季実戦祭第一日・再試合。第十三部隊対第二部隊』

 昨日と同じ場所。

 でも。

 リリアの気持ちは少し違った。

 地面を見る。

 黒い線はない。

 方位磁針も静か。

「大丈夫?」

 隣でレオンハルトが聞く。

「うん」

「怖かったら言って」

「怖くない」

「強がってない?」

「ちょっとは怖い」

 レオンハルトが目を瞬いた。

「言うようになったね」

「駄目?」

「逆」

 優しく笑う。

「安心した」

 反対側。

「リリア」

 セシルが呼ぶ。

「何?」

 拳を軽く差し出す。

「今日は最後まで」

 リリアも拳を合わせた。

「うん」

 ノアも横から拳を出す。

「僕も」

「増えた」

「全員やる?」

「何でだよ」

 文句を言いながらアレンも出す。

 カイルは少し嫌そうな顔をした。

「クロフォード先輩」

「……」

「全員」

「……分かった」

 最後にレオンハルト。

 六人の拳が中央で触れる。

「勝とう」

 リリアが言った。

『開始!』
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