魔法より、君に恋をする。
 入学式。

 リリアの隣にはセシル。

 その反対側には、淡い銀髪の少年が座った。

「すごい席だなあ」

 少年が小声で言う。

「何が?」

「今年の首席と《白銀の王子》に挟まれてる」

「その呼び方やめろ」

 セシルが即座に返した。

「本人公認じゃないんだ?」

「当たり前だ」

 少年が笑う。

「僕はノア。ノア・フェルディナンド」

「リリア」

「知ってる」

「また?」

「だから有名なんだって、君」

 セシルまで呆れている。

「よろしく、リリア」

「よろしく、ノア」

 青い瞳が。

 嬉しそうに細くなる。

「……やっと話せた」

「え?」

「何でもない」

 リリアは眉を寄せた。

「今、やっとって」

「入学式始まるよ」

「誤魔化した?」

「まさか」

 笑顔。

 ものすごく自然。

 だからこそ。

 少しだけ怪しい。

     
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