私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
彼の低い声音が耳にじんとした余韻を残して、全身がひどく熱かった。
雅芳には敵わない、そう思うのはこういうところだ。
なぜ彼はこんなにたやすく佳穂を喜ばせることができるのだろう。
恋愛の経験値がまるで違うとしか思えない。
佳穂の悩みなど雅芳には全てお見通しなのでは、とすら考えてしまう。
でも、だからこそ――どうしてキスしてくれないの?
そんな不満が膨らんでしまう。
初めてキスしてくれたときは、〝僕を信用しすぎだ〟なんて、欲を匂わすことまで言っていたのに。
だからごく自然にその先の関係にも進んでいけると予想していたのに。
入浴を済ませ、自室のベッドに入った佳穂は、愛用の抱き枕をぎゅうぎゅうと抱きしめながら、恋人の隠された本心に考えを巡らせる。
「課長はまだ、そういう関係になるのは早いと思ってるのかな……」
ふと思いついて呟いた内容は、やけに信憑性がある気がして、確信めいた気持ちがじわじわと湧いてくる。
だってあらためて思い返してみたら、雅芳からはまだ好きだと言われていない。与えられたのは、〝好ましい〟という言葉だけだ。
雅芳には敵わない、そう思うのはこういうところだ。
なぜ彼はこんなにたやすく佳穂を喜ばせることができるのだろう。
恋愛の経験値がまるで違うとしか思えない。
佳穂の悩みなど雅芳には全てお見通しなのでは、とすら考えてしまう。
でも、だからこそ――どうしてキスしてくれないの?
そんな不満が膨らんでしまう。
初めてキスしてくれたときは、〝僕を信用しすぎだ〟なんて、欲を匂わすことまで言っていたのに。
だからごく自然にその先の関係にも進んでいけると予想していたのに。
入浴を済ませ、自室のベッドに入った佳穂は、愛用の抱き枕をぎゅうぎゅうと抱きしめながら、恋人の隠された本心に考えを巡らせる。
「課長はまだ、そういう関係になるのは早いと思ってるのかな……」
ふと思いついて呟いた内容は、やけに信憑性がある気がして、確信めいた気持ちがじわじわと湧いてくる。
だってあらためて思い返してみたら、雅芳からはまだ好きだと言われていない。与えられたのは、〝好ましい〟という言葉だけだ。