私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
 佳穂の体調は帰宅と同時に急速に悪化し、最終的に丸三日寝込むことになった。

 熱に浮かされて、夢見は悪かった。夢と言うよりは思考や妄想と言うべきかもしれない。
 仕事で迷惑をかけてしまったうえに、自分の体調管理すらできていなかったことを雅芳に責められる夢。軽蔑される夢。別れを告げられる夢。あるいは逆に、恋人として許されて、甘やかされて、どんどん自分がダメになっていく夢。

 つらくて悲しくて、目を覚ましたいのに目覚められず、悪夢の中でもがき苦しんだ。

 ようやく熱が下がり始め、まともに起き上がれるようになったのが日曜日の深夜だった。
 佳穂がベッドから上体を起こすと、窓の外は真っ暗で、静まり返っていた。
 眠りながら泣いていたのか、目蓋が熱を持って厚ぼったくなっている気がする。

「喉渇いた……」

 声もしゃがれている。

「プリン食べたいな……」

 欲望のままに呟くと、途端に猛烈な空腹感が襲ってきて、佳穂は重い腰を上げた。
 プリンを食べるなら、コンビニに買いに行かなければ。
 それでなくても手軽に食べられるものはこの三日間で食べ尽くしてしまっている。
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