私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
 どうにかして食料を調達しなければ、休養どころではない。

 佳穂はまだだるさの残る身体をのろのろと動かして外出できる格好になんとか着替える。
 そうしてよろよろと玄関に歩いていき、ドアを開くと――

 ガサリ。

 ビニール袋がこすれるような音が耳に届いて動きを止める。
 見ると、外側のドアノブにコンビニのレジ袋が下がっていた。

「え……?」

 ひとまずそれを手にとって室内に戻った佳穂は、スマホを確認した。
 寝込んでいた間ほとんどチェックできていなかったそれには、未読のメッセージが溜まっている。多くが雅芳からのもので、一時間前に届いた最新メッセージに、簡単な見舞いの品をドアノブにかけておく、といった内容が書かれていた。
 レジ袋の中身を一つずつ取り出してみると、ミネラルウォーター、おにぎり、ヨーグルト、そして最後にプリンが出てきた。

 それを目にした佳穂は、気づけば涙をこぼしていた。
 雅芳が好きだ。彼の気遣いが嬉しい。そう思うのに、苦しいとも感じる。
 彼を知るほどに佳穂はどんどん想いを深めていくのに、雅芳の優しさはどこまでも完璧で、優等生だ。
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