私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
「心配させてたんだ。ごめん」
「それは気にすんなよ。たださ、おんなじこと繰り返すなよってこと」
「うん。ありがとう」
同期の気遣いをありがたく受け取って、佳穂は微笑みを返した。そして、周りに心配をかけっぱなしだったここしばらくの己の振る舞いを反省する。
――ちゃんとしよう。そのためにも、気持ちを切り替えなくちゃ……
背後でカチカチカチカチ、とマウスをクリックする音がかすかな荒さを滲ませて響く。
しかし、佳穂はもう課長席を振り返らなかった。