私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
静かに言い直すと、言葉の刃が胸にぐさりと刺さったかのように雅芳の顔が強張る。その様にはもはや日頃の余裕は欠片も見当たらなかったが、佳穂は胸がすく思いがするだけだ。
再びビールを呷ると、テーブルの上に視線を落とし、今まで溜め込んでいたあれこれを吐き出すように口にする。
「恋人がいるって嘘をついて告白を断っていたらしいことも、処世術に長けている感じがしてちょっと……。想いに応えることはできないとしても、勇気を出して気持ちを伝えてくれた人ですよ? 誠実に対応すべきじゃないですか?」
雅芳は反論の余地もないらしく、ぐっと顔をしかめた。
「……君の言うとおりだ」
「それだけじゃありません」
佳穂は畳み掛ける。
「デートでもいつも穏やかで、そつがなくて……優しくしてもらってるな、とは思いましたけど、きっと今までの彼女さんたちにも同じようにしてきたんだろうな、とか……考えちゃうじゃないですか」
淡々と糾弾していたはずなのに、声が震えそうになって佳穂は喉に力を込めた。それでも、言葉を止めることはできずに口を動かし続ける。
再びビールを呷ると、テーブルの上に視線を落とし、今まで溜め込んでいたあれこれを吐き出すように口にする。
「恋人がいるって嘘をついて告白を断っていたらしいことも、処世術に長けている感じがしてちょっと……。想いに応えることはできないとしても、勇気を出して気持ちを伝えてくれた人ですよ? 誠実に対応すべきじゃないですか?」
雅芳は反論の余地もないらしく、ぐっと顔をしかめた。
「……君の言うとおりだ」
「それだけじゃありません」
佳穂は畳み掛ける。
「デートでもいつも穏やかで、そつがなくて……優しくしてもらってるな、とは思いましたけど、きっと今までの彼女さんたちにも同じようにしてきたんだろうな、とか……考えちゃうじゃないですか」
淡々と糾弾していたはずなのに、声が震えそうになって佳穂は喉に力を込めた。それでも、言葉を止めることはできずに口を動かし続ける。