敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


 そう訴えるように、紫色の瞳で上目遣いに彼をみた後、ちゅっと彼の右手にキスをすると、マイケルはボフッと湯気を発して沸騰したように真っ赤になった。
 しばらくあわあわと震えた後、「失礼する!」と言って立ち去って行く。

 残されたのは、私と私の初めてのお友達である。

「最近、マイケル殿下の様子がおかしくて困っているんです」
「……もっと困ればいいと思うよ」

 つれない返しに、私が不満顔で彼を見ると、彼はサッと私から目をそらした。
 メルヒオールはドライなお友達なのである。

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