敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
足元を見ると、そこにはミゲルの黒猫が居た。
実はとっても長い名前を持っている、金色の瞳がチャーミングな、成猫の長毛種の黒猫ちゃんだ。
またミゲルの部屋から脱走してきたらしい。
私の足元にゴロゴロと喉を鳴らしながらすり寄って来たので、私はその場でしゃがみこんで、彼女の頭をなでる。
「そうだわ。ね、フローラちゃん。私に協力してくれる?」
アイリス姉さまの命令を遂行するためなの。
私がそう言うと、ミゲルズ=スーパー=キューティフル=ゴージャス=シルク=フローリア=ブラックは「にゃん!」と頷いてくれた。
協力者が居るなら、話は早い。
私は、お母さまの本を手に、ふふっと笑いをこぼした。