私の運命の人
家族揃って集合写真を撮り、小さな宴会場で円卓を囲んで食事をする。
祖母はいっくんのお母さんと久しぶりの再会を果たし、興奮気味に昔話を語り合っていた。
父は何度も私を見て涙ぐみ、母が苦笑いしつつなだめる。
終始和やかに食事を楽しんだ。

「それでは新郎新婦のお二人、控え室にご案内いたします」

介添えのスタッフに声をかけられて私たちは立ち上がる。

「それじゃあ、これで。気をつけて帰ってね」

私といっくんは笑顔で家族に手を振り、部屋を出た。

「楽しかったね」
「そうだな。優里のきれいなドレス姿を見てもらえて、本当によかった」
「次は孫よって、おばあちゃん張り切ってた」
「ははっ、それならがんばらないとな」

いっくんの言葉に私が真っ赤になっていると、先を歩いていたスタッフが立ち止まる。

「どうぞこちらへ」

いっくんと腕を組んでいた私は、首をひねった。

「あれ? 控え室ってここでしたっけ?」

するとスタッフは笑みを浮かべたまま扉を開いた。

「えっ!」

私といっくんは驚いて目を見開く。

「せーの!」
「三十木先生、優里先生、ご結婚おめでとうございまーす!」

扉の向こうには笑顔の生徒たちや先生方、友人に後輩。
もう何が何だかわからないほど、たくさんの人が拍手をして私たちに笑いかけていた。

「あの、これ、どういう……」

私もいっくんも呆然としたまま動けない。

「はい、お二人さん。どうぞこちらへー」

マイクを手に近づいて来たのは坂井くんだった。

「ちょっと、坂井くん! これどういうこと?」
「ん? せっかくの晴れ姿なのに俺たちにお披露目なしなんて、つれないじゃない。幸せをおすそ分けしてもらわないとってことで、集まっちゃいましたー!」

いえーい!と皆は盛り上がる。
よく見ると私が担任をしている二年二組を中心に制服姿の生徒たち、いっくんの勤める学校の制服姿の生徒や、瀬川先生と晶子先生、もちろん広香と橋口くん、友和先輩や菜々子先輩、真由子さんの姿もあった。
広い宴会場いっぱいに並んだ円卓に、たくさんの大切な人が笑顔で並んでいる。
そう思った瞬間、私は一気に涙を溢れさせた。

「ほらほら、いつまでそんなところにいるんですか? 本日の主役なんですから、あちらのメインテーブルにドーンとどうぞ!」

坂井くんは本当に商社に勤めているのだろうか。
アナウンサーの間違いでは?と、私は妙なことを考えつつ、いっくんにエスコートされて前方のメインテーブルに着いた。
二人並んでお辞儀をすると、拍手がより一層大きくなる。
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