your side
「こっちって!城崎くん家何処よ」

「ゴチャゴチャ言ってねーで帰ろ」

十はニッコリ笑って歩きだした

あたしは小走りでついていった

あったかそうなカウチンセーターに後ろからぎゅって
したくなるほど綺麗な
後ろ姿だった

不思議だな

ずっと前から十を知ってる感覚がした

それはきっとこの2日ずっと頭に十がいるからだろう

「あの…あたしんちここだから…」

「そっじゃまた明日」

十はそう言って今来た道を帰って行った

「え?ちょ…
もしかで送ってくれたの?」

「だよ。じゃね」

と右手をヒョイと挙げて帰って言った

何?なんで?

決めた人の事なんてすっかり忘れるくらい

あたしの背景はバラだった
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