きみと、どうかしてる。
「あの、なんつーか」
「うん」
「……すいませんでした…」
仕方なく謝罪を口にして、顔を少しずつ遠ざけていく。
亜美子のためを思ってしたことだったのに、なんでこんな情けない思いをしないといけねーんだよ。
「いいよ、別に。分かってたから。
……ていうか、ね」
言葉の途中で表情を曇らせたかと思えば、首に回していた腕に力を入れて、遠ざけた距離をまた詰めてくるから。
今度は何を言うんだ何をする気なんだって、ちょっとドキッとする。
「あのね、」
「………」
「シートベルトはめるところが、背中に当たってて痛い…」
「え。あ、悪い」
想像したようなことじゃなくて安心したのも、束の間。
密着したままの亜美子の背中に、慌てて腕を回して、元の位置に抱き起こすと。
背中をさすりながら苦笑いして、"言ったら負けかなと思って"と言ったけど。
この状況でそんなこと気にする余裕あったのかよ。侮れねーな。