きみと、どうかしてる。
「今日は千尋を負かせて気分いいし。
もう帰ってあげようかな!」
さっきまでの言葉にしがたいムードはどこへやら。
言い終えてすぐ外に出て、俺が座っている側のドアを開けて。
「ちゃんと帰るから。運転席戻っていいよ」
「あー、うん…」
憎まれ口を叩くことも忘れて、言われるがままに降りて運転席に乗り込むと。
今度は窓を開けるようにとジェスチャーをして見せる。
「今日も付き合ってくれて…
あと、家まで送ってくれて。ありがとう」
「それはいいけど、」
「また電話するから。着信拒否しないでね?」
「しないけど。亜美子、」
「それじゃあ、おやすみ。愛しのちぃたん!」
言いたいことを言いたいだけ言って、ひらひらと軽く手を振って。
振り返ることなく、家の中に入ってしまった。
「なんだよあいつ。
ほんっと、掴めないやつ…」
そう呟いた俺の声は、暗闇の中に吸い込まれていった。