きみと、どうかしてる。
「谷村さん、好きな教科は?」
「………」
「勉強好きなんだよね?いつも成績上位だからそう思ったんだけど。
それで、好きな教科は?」
「…現国、かな」
「なるほど。じゃあ、古文は嫌いなほう?」
「まぁ、うん。それなりに……」
今日もいつものように質問を投げかけては、小さなノートに何かを書き記していく。
元々人間観察が好きらしく、いつでもメモを取れるようにノートを持ち歩いているらしい。変なの。
……大したこと喋ってないのに、一体何を書いてるんだろう。
「ねぇ、どんなこと書いてるの?」
と、少しだけ距離を縮めてみたら。すぐに隠されてしまった。
「おっ、やっと私に興味を持ってくれたのかな?」
「え。」
「谷村さんになら見せてあげてもいいよ。友達のしるしに!」
キラキラした目をして興奮気味に話してくるところを見ると、何が何でも友達だと、言質を取りたいらしい。
「……やっぱりいい」
「えぇ~…すごく自然な流れだったからいけると思ったのに…
まぁいいや、どうぞ」
「………」
「あれ?見ないの?」
「………」
目の前に差し出されたこれを受け取ってしまったら、また何か言われるかもと思ったけど、でも。
「……見ていいの?」
「うん。ただのメモだから」
「へ、へーえ。
それじゃあ失礼して…」
恐る恐る受け取ったノートを開くと、そこには。
入学直後の様子だとか、ここ最近話した会話の内容だとか。色々なことが記されていた。