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きみと、どうかしてる。

「夏川千尋。
観察中ってなにを?」

「なつかわ、ちひろ…さんですね。
季節の夏に、三本線の川。漢数字の千に、難しい方の尋ねる…で、お間違いないですか?」

「はぁ。そうだけど」

「お見受けしたところ、年上の方かと思いますので、"夏川さん"とお呼びしますね。
それで、谷村さんとはどういったご関係で?」

「………」

「あ、一方的にすみません。ご質問の"観察中"というのは文字通り、謎だらけの谷村さんの素性を探っているところ、という意味です」

お得意の早口で話しながら、すばやく取り出したノートに何かを書き記していく森下さんは。

さながら、ドラマに出てくる刑事さんのようだ。

そしてここで、はたと気付く。

言葉でねじ伏せることが得意な千尋と、常に自分のペースで話を進めることが出来る森下さん。

この二人が組んだら、最強な…
あたしにとっては最悪な布陣なんじゃない?って。

「このチャンスを逃すわけにはいかないから、鬼ごっこはもう終わりね」

そう言って、嬉々として痛いぐらいの力で腕を掴む森下さんを見て。

"終わったな、あたし"って。思わざるを得ないけど。

諦めの意味を込めて、下手な愛想笑いをしておいた。

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