きみと、どうかしてる。

「夏川さん、私の質問にも答えていただいていいですか?」

あたしには聞こえる、森下さんの心の声が。
何時間でもここにいる、閉店したって離れないからね!っていう、熱い声が…

「あー…」

「?」

「俺、こう見えてバイト中だから。早く戻らな、」
「えっなにバイト!?千尋バイト中だったんだ!それは大変だねぇ!忙しいねぇ!!
なら早く、今すぐ、早急に戻らなきゃね!」

ナイスバイト!ナイス雇用主!
三つ巴から解放される未来が見えた!!

……と、思えたのはほんの数秒で。

その希望は、まさかの一言で断ち切られる。

「まぁ、あと2時間くらいで終わるけど」

「待ちます行きます。どこですかバイト先」

「いや行かないよ!?」

「駅前のカラオケ」

意地でも食らいつこうとする森下さんに、咄嗟に待ったをかけたけど。

既に行く気満々のようで、すごい勢いでメモを取りながらあたしと千尋を交互に見てくる。

どうにかして帰りたい。何か策は…

………あ。

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