海色の恋〜冷徹社長の甘い愛に染められて〜
「私、絵についてはよくわからないです。本当に素人ですし」

「それでも構わない」

時透社長が迷うことなく答えた。

「それに、二階に飾られている絵をいつも見ているだろう?」

「あのクラゲの絵ですか?」

「ああ」

「あの絵、好きなんです」

そう答えると、ふと脳裏に優しかった彼の姿が浮かんだ。あの絵を見ると、なぜだか思い出す。胸の奥が、少しだけあたたかくなる。

「そうか」

時透社長は小さく頷いた。

「なら、なおさらだ。君と一緒にデザイン画を進めていきたい」

「え?」

「いいか?」

真っ直ぐに見つめられる。いいかも何も仕事なら、もちろんやる。だけど、社長と二人で?これ、ほかの社員にバレたら普通に袋叩きにされるのでは?

「手当も多めに出そう」

「それなら、やります」

即答した。だって、お金は大事だ。すると時透社長の目が、ほんの一瞬だけ細められた。

「そうか」

今、ちょっと笑った?気のせいだろうか。
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