海色の恋〜冷徹社長の甘い愛に染められて〜
「これはツノダシだね。エンゼルフィッシュと似てるけど、違うんだよ」

「そうなんだ」

「へぇー、これにね」

そう言って目を細める海人を見ながら、私はふと思った。

「スーツ着てるときの海人に似てます」

「そう?」

「はい。あ、ほら。餌付けが難しくて、水質やストレスにも敏感なため、飼育が非常に難しいんですって」

説明文を指差す。

「そこもなんか似てますね」

「え?」

海人が不機嫌そうにこちらを見る。

「だって、会社にいるときピリピリしてますもん」

あの冷え切った目を思い出すだけで、今でも背筋が伸びる。

「でも、かっこいいです」

思ったまま口にすると、海人がこちらを振り向いた。スーツを着て、真剣な表情で仕事をする姿。怒られるときは怖いけれど、それでもいつも見惚れてしまうくらいかっこいい。

「俺は…美月に嫌われないか心配してるんだよ」

「え?どうして?厳しいから?」

そう尋ねると、海人は苦笑して少しだけ視線を逸らす。

「大丈夫ですよ」

私は笑って、海人を見る。

「海人のお茶目で可愛いところを知ってるのは、私だけですから。ね?」

ふふっと笑う。すると、海人の綺麗な顔が、そっと近づいてきた。一瞬、キスされるのかと思って、心臓が大きく跳ねる。けれど、海人はそれ以上近づくことなく、優しく笑った。

「そうだよ。美月は特別だよ。ずっとね」

思わず顔を上げる。海人は、どこか嬉しそうに私を見つめていた。
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