海色の恋〜冷徹社長の甘い愛に染められて〜
「あの、ちょっと待ってください!」
私は慌てて声をかけた。
「私、このあと打ち合わせなんです。カフェに戻らないと!」
そうだ。今日はルイさんとの大事な打ち合わせがある。遅刻なんてしたら、第一印象が最悪じゃない。それどころか、もし今回のことで契約を切られたりなんてしたら、大変なことになる。
「大丈夫だから」
「いや、でも……!」
「それより、火傷はしてないか?」
「え?」
思わぬ言葉に目を瞬く。
「冷めていたので、大丈夫です!」
「そうか」
それだけ確認すると、時透社長はまた私の手を引いた。
「って、あの!」
聞いてます!?そう言いたかったけれど、時透社長は問答無用で歩いていく。そして、少し歩いた先にある大きなマンションへ入っていった。入り口からして、なんだかすごい。広々としたエントランスに、ピカピカに磨かれた床。受付らしき場所まである。
「え…」
思わず立ち止まりそうになる。社長、こんなところに住んでるの?すごい。あまりの場違い感に、私はきょろきょろと周囲を見回してしまう。けれど当の本人は気にする様子もなく、エレベーターへ向かう。
「乗って」
「は、はい」
言われるがまま乗り込む。そして――。
「最上階……」
表示されたボタンを見て、思わず呟いた。まさか。まさかとは思うけれど。この人、本当にここに住んでるの?そんなことを考えているうちに、エレベーターは静かに上昇していく。やがて最上階に到着すると、部屋の前で足を止めた。扉が開く。中へ入った私は、またしても固まった。……広い。そして、ものすごく綺麗。
「シャワー使って」
時透社長が淡々と言う。
「え?」
「服は置いておくから」
「いや、でも――」
「そのままだと風邪を引く」
「はい」
反論する隙もなく、私はシャワールームへ押し込まれた。扉が閉まる。ひとりになった私は、しばらく呆然と立ち尽くした。
……なんで、こうなったんだろう。今日はルイさんに会いに来ただけなのに。私は慌ててスマホを取り出し、打ち合わせ相手へ連絡を入れる。事情を簡潔に説明して、なんとか時間を調整してもらえないかお願いする。そのあと、急いでシャワーを浴びることにした。幸い、コーヒーは胸元を中心にかかったけれど、下着までは濡れていない。それだけでも助かった。シャワーを終え、用意されていたタオルで髪を拭く。そして、置かれていた服を手に取った。
「…ん?」
胸元に入ったロゴに目が留まる。これ。めちゃくちゃ高いブランドのワンピースでは?私でも知っている名前だ。確か、一着数十万とかするような…。
「いやいやいや……!」
慌てて服を見下ろす。こんなの、絶対に汚せない。でも。私の服はコーヒーまみれ。このまま着て打ち合わせに行くわけにもいかない。
「仕方ないよね」
恐る恐るワンピースに袖を通す。普段の自分とは少し違う姿が映っていた。
私は慌てて声をかけた。
「私、このあと打ち合わせなんです。カフェに戻らないと!」
そうだ。今日はルイさんとの大事な打ち合わせがある。遅刻なんてしたら、第一印象が最悪じゃない。それどころか、もし今回のことで契約を切られたりなんてしたら、大変なことになる。
「大丈夫だから」
「いや、でも……!」
「それより、火傷はしてないか?」
「え?」
思わぬ言葉に目を瞬く。
「冷めていたので、大丈夫です!」
「そうか」
それだけ確認すると、時透社長はまた私の手を引いた。
「って、あの!」
聞いてます!?そう言いたかったけれど、時透社長は問答無用で歩いていく。そして、少し歩いた先にある大きなマンションへ入っていった。入り口からして、なんだかすごい。広々としたエントランスに、ピカピカに磨かれた床。受付らしき場所まである。
「え…」
思わず立ち止まりそうになる。社長、こんなところに住んでるの?すごい。あまりの場違い感に、私はきょろきょろと周囲を見回してしまう。けれど当の本人は気にする様子もなく、エレベーターへ向かう。
「乗って」
「は、はい」
言われるがまま乗り込む。そして――。
「最上階……」
表示されたボタンを見て、思わず呟いた。まさか。まさかとは思うけれど。この人、本当にここに住んでるの?そんなことを考えているうちに、エレベーターは静かに上昇していく。やがて最上階に到着すると、部屋の前で足を止めた。扉が開く。中へ入った私は、またしても固まった。……広い。そして、ものすごく綺麗。
「シャワー使って」
時透社長が淡々と言う。
「え?」
「服は置いておくから」
「いや、でも――」
「そのままだと風邪を引く」
「はい」
反論する隙もなく、私はシャワールームへ押し込まれた。扉が閉まる。ひとりになった私は、しばらく呆然と立ち尽くした。
……なんで、こうなったんだろう。今日はルイさんに会いに来ただけなのに。私は慌ててスマホを取り出し、打ち合わせ相手へ連絡を入れる。事情を簡潔に説明して、なんとか時間を調整してもらえないかお願いする。そのあと、急いでシャワーを浴びることにした。幸い、コーヒーは胸元を中心にかかったけれど、下着までは濡れていない。それだけでも助かった。シャワーを終え、用意されていたタオルで髪を拭く。そして、置かれていた服を手に取った。
「…ん?」
胸元に入ったロゴに目が留まる。これ。めちゃくちゃ高いブランドのワンピースでは?私でも知っている名前だ。確か、一着数十万とかするような…。
「いやいやいや……!」
慌てて服を見下ろす。こんなの、絶対に汚せない。でも。私の服はコーヒーまみれ。このまま着て打ち合わせに行くわけにもいかない。
「仕方ないよね」
恐る恐るワンピースに袖を通す。普段の自分とは少し違う姿が映っていた。