加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
「小山内さん、もう少しだけいいですか?」

「……はい」

「前に痴漢に遭った時も、今日と同じような触られ方でした?」

小山内さんは少し考えてから頷いた。

「似てます……」

「身体を押しつけられたのも?」

「はい」

「時間帯は?」

「いつも、このくらいの時間です」

「乗る車両も同じ?」

「だいたい同じです」

あたしは手帳から顔を上げた。

「水城さん、以前の相談でも?」

「はい。聞いている内容とほぼ一致しています」

水城さんが答えた。

「同じ人物の可能性もありますね」

苫利先輩の言葉に、久世さんが頷いた。

「我々もそう考えて、以前からこの路線を警戒していました」

「じゃあ、犯人をマークしてたんですか?」

「いえ。まだそこまでは」

久世さんの表情が険しくなった。

「犯人を特定できる情報が、ほとんどなかったんです」
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