葉山くんは私の前でだけ忠犬
「モモ〜…出てきてよぉ……ぐずっ……」


高校生なのに情けない。

ぐずぐず泣きながら公園を歩いてると──。


「モモ……どこぉ……?」
「わん、なんちゃってぇ」


ベンチに座った白髪の男の人の膝に、モモがおとなしく丸くなっていて、私は思わず駆け寄ってしまった。


その人をよく見ることもなく……。


「モモ!」
「コイツ急にまとわりついてきてさぁ……」
「ごめんなさい!首輪が抜けちゃって……」


膝の上で丸まってるモモを抱き上げて頬擦りをすれば、やめろと言わんばかりにわふわふと抗議してくる。

そこで初めて、男の人の顔をしっかりと見た。


透き通るような白い肌。
少し釣り上がった一重の瞳。
血色がいいとはいえない薄い唇。

そして、真っ白に染められたであろう髪。


この人のことを、私は知ってる。

クラスメイトの、葉山百々(もも)だ。
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