アネモネの花
…ずるい。

うまくごまかされた。

これじゃあ、いつもと変わらない。



「え…、い、いないよ?いるわけないじゃん」

ちょっと動きが鈍ってしまったけど、どうにか答える。



バレてないよね?

確信じゃないものはまだ、言わない。



「ふーん。そっかぁ。じゃあ、あたしが誰か紹介してあげるね!」


そんな私の動きになんて気にも留めず、莉緒は私の背中を今度は軽く“ポン”と叩いて言った。


――素直に、言えば良かったかな。
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