アネモネの花
「紘人の友達は?友達誘って行けば良いじゃん」

紘人の話は、本当に冗談と本気の境目が分からない。


『なに言ってんの?絶対誘わねー。…二人で行こうよ』



さらりとかわしてみても、本気にしてしまうような言葉が返ってくる。


紘人にとって、全く他意のないものでも…



友達としてという意味だと分かっていても、ドキドキしちゃう私の心は気持ちや考えよりも素直な反応をしてくれる。



『あー。さなと遊びたいなぁ』

「また…唐突なこと言うね、君は」



――やっぱり、こんなことを言うのは“一緒に行こう”なんて話をしたからかな。
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