アネモネの花
ちょっと…軽く嫉妬したんだけど。



その時、館内に響き渡っていた声援もボールの音も消えていたことに気付いた悠が言った。


「あ…次うちら試合じゃね?」

「あれ。本当だ…いつの間にか終わってたんだね」



紘人に一旦別れを告げ、コートに戻る。

コートに入ると、すぐにチームの代表に声をかけられた。



「蒼井!…あのなぁ…」

――またですか。



代表のあからさまな溜息を見て、私はなにまた、カンに障ることをかをしでかしてしまったのかと思い、頭の記憶を探った。
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