アネモネの花
「よくさぁ、試合終わった後とかにチームの奴らに、マッサージ頼まれたりするんだよな。めんどくせーって言うけど」

「でも、やってあげるんでしょ?」


私がクスクス笑いながら言うと、紘人は一息おいて、言葉を続けた。


「嫌だって言うとさ、“金払うから”とかまで言うんだよ。おかしいだろ?だったら、プロにやってもらえってな」

「…でも、結局はやるんでしょ?」


同じ言葉を言う私に、紘人は視線をそらして、“まぁ…”と呟き頷いた。
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