嗚呼、愛しのアフロディーテ

第二話 変身

ハンカチは手洗いし、アイロンもかけた。

返す機会が必ずあると信じて──。


・・・


翌日。

ハンカチを鞄に入れて、いつも通り学校へ向かう。


坂本くんのことが気になるけれど、連絡先も知らなければ、どの辺りに住んでいるのかも知らない。

ハンカチを持って隣の教室を覗いてみても、坂本くんを見つけることは出来なくて。
隣のクラスの友達に聞いてみても、どうやら休んでいるようだった。


休み……まさか、と嫌な考えが頭をよぎる。


でも……もし生徒に何かあれば、学校にも連絡が入ったりするもの。

朝のHRで特に何も無かったということは、坂本くんは大丈夫だってことかもしれない。


本人の姿を見ることが出来ないから、あくまでも想像しか出来ないけれど。


落ち着かない心を抑えるように、私はときどき坂本くんのハンカチを握りしめながらなんとかやり過ごした。



ハンカチを握りしめるたび、また手洗いをしてアイロンをかけて……。


そんなことを繰り返し、一週間が過ぎた頃。


──坂本くんは登校してきた。
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