炎、揺らめく時〜If the world〜
「皆さん!!危ないから離れてください!!」

「どいてください!!」

野次馬たちにどいてもらい、僕たちは消火活動を始める。ホースを僕が引っ張り出そうとした刹那、「お願いします!!」とスーツを着て涙を流している女性に腕を掴まれた。

「娘が!!娘がまだ中にいるんです!!夫に娘を任せていたのに!!」

「部屋は何階ですか?」

僕たちの顔色が一瞬で変わった。女性の住む部屋があるのは、火災が起きている階の二階上だった。いつ火に包まれてもおかしくない。

「その子をすぐに探そう!!」

「はい!!」

先輩の指示で鎮火する班と女の子を探す班に分かれた。僕は後者だ。先輩と共に、外から窓を一つずつ見ていく。すると、泣き叫びながら窓を叩いている五歳くらいの女の子を見つけた。

「先輩!!いました!!」

僕が叫ぶと、先輩は「あそこか!!今すぐハシゴを持ってこい!!」と無線で連絡する。もっと階が低かったら声をかけて安心させてあげられたかもしれない。不安を言葉で和らげてあげられないのが、すごくもどかしい。
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