目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
鷹司アセット――宗一郎が握る「国際金融の権力」が突いてきている「融資リスク」の根拠を、真由は徹底的に解体していった。

​宗一郎の狙いは、欧州系投資銀行を通じた協調融資(シンジケートローン)を凍結させ、三ツ橋商事を資金ショートに追い込むことだ。

ならば、鷹司が支配する金融ネットワークの「外側」に、完璧な迂回路(バックドア)を作ればいい。

​真由は睡眠時間を削り、アジア系の政府系金融機関、そして北欧の環境投資ファンドとの極秘交渉を進めた。

鷹司側が融資枠を凍結した瞬間に、自動的に代替資金が注入される「2重の保険(バックストップ・ファシリティ)」の契約構造を、自らの手で組み上げていく。

​時差を追いかけ、休むことなく稼働するグローバル金融の渦の中。

​深夜の東京で作成した修正契約書をロンドンへ送り、早朝のドバイとリスク分析データを共有し、夕刻のシンガポールと資金移動のシミュレーションを詰める。

​
< 100 / 136 >

この作品をシェア

pagetop