目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
真由は周囲に誰もいないことを確認し、滑り込むように助手席へ乗り込んでドアを閉めた。
車内には、彼が纏っているのと同じ、かすかにローズウッドの上品な香りが満ちている。
専属運転手もいない、本当の意味での完全な2人だけの空間。
「……お待たせいたしました、副社長」
「もう社外だ。『副社長』はやめてくれないかな」
鷹司はいつもの硬質な、ビジネス用の表情を緩めた。
少しだけ困ったような、けれど柔らかい笑みを真由に向けた。
「会社での渡し方は、急で驚かせたかもしれないな。だが、秘書課や総務部の耳目を挟まずに君と連絡を取るには、あれが最善だと判断した」
「いえ……本当に完璧な『業務連絡』に見えました。秘書課の皆さんも、副社長の仕事の早さに感心していたくらいです」
車内には、彼が纏っているのと同じ、かすかにローズウッドの上品な香りが満ちている。
専属運転手もいない、本当の意味での完全な2人だけの空間。
「……お待たせいたしました、副社長」
「もう社外だ。『副社長』はやめてくれないかな」
鷹司はいつもの硬質な、ビジネス用の表情を緩めた。
少しだけ困ったような、けれど柔らかい笑みを真由に向けた。
「会社での渡し方は、急で驚かせたかもしれないな。だが、秘書課や総務部の耳目を挟まずに君と連絡を取るには、あれが最善だと判断した」
「いえ……本当に完璧な『業務連絡』に見えました。秘書課の皆さんも、副社長の仕事の早さに感心していたくらいです」