目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
episode15ーーただの2人で
土曜日、約束の朝。

真由は都心から少し離れた郊外のターミナル駅で待っていた。

指示されたのは「社内の人間の生活圏から外れた駅のロータリー」。

どこまでも慎重で徹底した配置だ。

​定刻の数分前、ロータリーに滑り込んできたのは、あの日と同じダークグレーのクーペだった。

​助手席に乗り込むと、鷹司はいつも通りの仕立ての良いスラックスに、上質なネイビーのサマーニットというラフな装いだった。

真由の胸はスーツを脱いだ彼の佇まいに、微かに騒ぐ。

​「おはよう。待たせたな」

​「おはようございます。……いいえ、今来たところです」

​「……その服装、よく似合っている」

​何気ない一言と、車を走らせながら向けられた温かな視線に、真由の頬がカッと熱くなった。
​
​高速道路に乗り、都心のビル群が後方へ去っていく。

高速道路に乗り、都心のビル群が後方へ去っていく。

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