目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
「君の前で理性を保つのが、どれほど綱渡りか……君には想像もつかないだろうな」

真由の手を包み込む鷹司の手に、ギュッと力がこもる。

​「あの会議で、君が真っ直ぐな目で資料を説明していた時も。秘書課の前でカードを手渡した時も。私の頭の中は、君のことでいっぱいだった。……こんな公私混同、生まれて初めてだ」

​「蓮さん……」

​「会社では、これからも完璧な『副社長と社員』を演じ続ける。誰にも文句は言わせない。……だが、ここへ来た時だけは、ただの男として君を愛したい。……我が儘だと思うか?」

​静かだが、偽りのない真摯な問いかけ。

真由は首を横に振り、彼の胸元にそっと額を預けた。

​「いいえ。私も……ここへ来るときは、ただの『真由』として、蓮さんの側にいたいです」

​鷹司は真由の答えを聞き、愛おしさを噛み締めるように真由を強く抱き締めた。

車外に広がる静寂の中、2人だけの呼吸が重なっていった
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