目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
episode16ーー副社長と社員
数日後の執務室。
ガラス張りの役員フロアには、張り詰めた緊張感が漂っていた。
午後14時。
市川真由は総務部から提出された来年度の備品刷新案と予算予算配分資料を手に、副社長室の扉を叩いた。
「失礼いたします。総務部の市川です。ご指示いただいた比較資料をお持ちしました」
「入れ」
短く重みのある声に応じて室内へ足を踏み入れる。
鷹司蓮はデスクに向かい、仕立ての良いスリーピーススーツに身を包み、鋭い眼光で手元のPC画面を見つめていた。
その表情には隙がなく、数日前の車内で見せた甘い熱など1片も感じさせない、完璧な「副社長」の顔だった。
「こちらになります」
真由はデスクのしかるべき位置に資料を静かに置き、1歩引いて直立した。
「……なるほど。ペーパーレス化に伴うイニシャルコストと、中長期的なランニングコストの削減推移か。視点は悪くないが、この第3期の償却計算、少し甘いのではないか?」
ガラス張りの役員フロアには、張り詰めた緊張感が漂っていた。
午後14時。
市川真由は総務部から提出された来年度の備品刷新案と予算予算配分資料を手に、副社長室の扉を叩いた。
「失礼いたします。総務部の市川です。ご指示いただいた比較資料をお持ちしました」
「入れ」
短く重みのある声に応じて室内へ足を踏み入れる。
鷹司蓮はデスクに向かい、仕立ての良いスリーピーススーツに身を包み、鋭い眼光で手元のPC画面を見つめていた。
その表情には隙がなく、数日前の車内で見せた甘い熱など1片も感じさせない、完璧な「副社長」の顔だった。
「こちらになります」
真由はデスクのしかるべき位置に資料を静かに置き、1歩引いて直立した。
「……なるほど。ペーパーレス化に伴うイニシャルコストと、中長期的なランニングコストの削減推移か。視点は悪くないが、この第3期の償却計算、少し甘いのではないか?」