目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
「あら、私が副社長の意向を取り違えるとでも? 私と副社長の間の意思疎通を、総務部の一社員が疑うのは少し不作法ではないかしら」

​威圧感を感じさせない、だが確実に圧力をかけてくる言葉。

高条の立ち位置と信頼性を盾にした、退路を断つような誘導だった。

​ここで「副社長に直接確認します」と言えば、秘書室長を飛び越えた無礼になり、不自然な連携を疑われる。

かといって指示通り動けば、真由はミスを犯した社員として失脚する。

高条は、鷹司を巻き込むことなく、真由の「総務部員としての資質」と「鷹司との距離感」を試していた。

​「滅相もございません。ただ、重要資料ですので、念のため履歴の残る社内システム上で副社長の承認フラグを再確認させていただきます。手続き上のコンプライアンスとして、私どもの部署でも徹底するよう厳しく言われておりますので」

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