値引きパンを頬張っていたら御曹司に一目惚れされました
1.値引きパンと変な人
休憩に入るなり、水野瑠菜は店内のパン売り場へ直行した。
「あ、まだ残ってる」
目当てのものを見つけて、思わず頬が緩む。
ハナザキ製パンの菓子パン。
昨日までは定価で並んでいたそれに、今日は〝三割引〟のシールが貼られている。
(ラッキー)
迷わずひとつ手に取った。
別に、定価で買えないわけではない。
けれど同じものなら、少しでも安く買えたほうが嬉しいし、何よりこのまま売れ残って捨てられてしまうのはもったいない。
「おばあちゃん、うち、休憩行ってくるね」
「はいはい。ゆっくりしておいで」
祖母へ声をかけて店を出る。
向かったのは、店から歩いて数分のところにある小さな公園だった。
瑠菜が住む穂刈里は、田舎だ。
駅から少し離れれば田畑が広がり、昼間だというのに人通りも少ない。
公園にも遊んでいる子どもの姿はなく、草も生い茂り気味で、聞こえてくるのは風に揺れる木々の音くらいだった。
いつものベンチへ腰を下ろし、買ったばかりのパンを袋から取り出す。
「いただきます」
大きく口を開けて、ぱくり。
ふわりとしたパン生地と、中に挟まれた甘いクリーム。
(んー、美味しい)
三割引で買えたと思えば、美味しさも三割増し――いや、それ以上だ。
もうひと口。
幸せを噛み締めるように頬張って――ふと、気づいた。
(……ん?)
「あ、まだ残ってる」
目当てのものを見つけて、思わず頬が緩む。
ハナザキ製パンの菓子パン。
昨日までは定価で並んでいたそれに、今日は〝三割引〟のシールが貼られている。
(ラッキー)
迷わずひとつ手に取った。
別に、定価で買えないわけではない。
けれど同じものなら、少しでも安く買えたほうが嬉しいし、何よりこのまま売れ残って捨てられてしまうのはもったいない。
「おばあちゃん、うち、休憩行ってくるね」
「はいはい。ゆっくりしておいで」
祖母へ声をかけて店を出る。
向かったのは、店から歩いて数分のところにある小さな公園だった。
瑠菜が住む穂刈里は、田舎だ。
駅から少し離れれば田畑が広がり、昼間だというのに人通りも少ない。
公園にも遊んでいる子どもの姿はなく、草も生い茂り気味で、聞こえてくるのは風に揺れる木々の音くらいだった。
いつものベンチへ腰を下ろし、買ったばかりのパンを袋から取り出す。
「いただきます」
大きく口を開けて、ぱくり。
ふわりとしたパン生地と、中に挟まれた甘いクリーム。
(んー、美味しい)
三割引で買えたと思えば、美味しさも三割増し――いや、それ以上だ。
もうひと口。
幸せを噛み締めるように頬張って――ふと、気づいた。
(……ん?)


