君と僕との最後の一週間

入院編~二日目~




二日目の朝。先に目を覚ましたのは、雪流だった。










「ん…、海兎…?」

部屋を見渡すと、窓から白みがかった光が射しこんで、今がまだ朝早いことを告げている。

そして隣をみると、海兎がまだ眠っていた。

「当たり前かぁ。まだ早いし…。」

僕は小声で呟いた。海兎が起きるまで、ずっと僕は海兎の寝顔を眺めていた。



「う、ん…あれ、雪流…おはよう。」

海兎が僕に笑顔を向けてくれるから、嬉しくなって。

「おはようございます。」

と僕も満面の笑みを浮かべていた。そしておはようのキスをした。


でも、僕は知っていた。海兎が僕の居ない所で、いつも苦しそうに顔を歪ませていたことを。



僕の前でこそ笑顔だけど、いつも辛そうな顔をしていた。










僕が…そんな顔をさせているんだよね………。


僕の行為で……海兎が辛い想いをしている。












ごめんなさい。












ごめんね、ごめん、ごめん……海兎………。












僕、海兎と出逢わなければ良かったね。そしたら海兎に、辛い思いをさせずに済んだのに。


< 28 / 78 >

この作品をシェア

pagetop