君と僕との最後の一週間
入院編~二日目~
二日目の朝。先に目を覚ましたのは、雪流だった。
「ん…、海兎…?」
部屋を見渡すと、窓から白みがかった光が射しこんで、今がまだ朝早いことを告げている。
そして隣をみると、海兎がまだ眠っていた。
「当たり前かぁ。まだ早いし…。」
僕は小声で呟いた。海兎が起きるまで、ずっと僕は海兎の寝顔を眺めていた。
「う、ん…あれ、雪流…おはよう。」
海兎が僕に笑顔を向けてくれるから、嬉しくなって。
「おはようございます。」
と僕も満面の笑みを浮かべていた。そしておはようのキスをした。
でも、僕は知っていた。海兎が僕の居ない所で、いつも苦しそうに顔を歪ませていたことを。
僕の前でこそ笑顔だけど、いつも辛そうな顔をしていた。
僕が…そんな顔をさせているんだよね………。
僕の行為で……海兎が辛い想いをしている。
ごめんなさい。
ごめんね、ごめん、ごめん……海兎………。
僕、海兎と出逢わなければ良かったね。そしたら海兎に、辛い思いをさせずに済んだのに。