『いつからか、君が特別だった』
その日の帰り道。
莉央と並んで歩きながら、
私は今日撮った写真をスマホで見返していた。
「結構撮ったね」
莉央が覗き込む。
「うん。たくさん撮っちゃった」
「紗季、写真撮ってるとき楽しそうだったよ」
「そう?」
「うん」
莉央が笑う。
「特に、湊くんと一緒にいたとき」
「……そうかな」
言われて、少し考える。
確かに。
今日は、いつもよりたくさん話した気がする。
「湊くんって、話しやすいね!」
「そう?」
「うん。なんか、話してると楽しい」
「ふふ。よかったじゃ〜ん」
莉央は嬉しそうに笑った。
「これからサークルでいっぱい会うんだし、仲良くなれそうだね」
「うん」
そう答えながら、もう一度写真フォルダを見る。
今日撮った小さな花。
木漏れ日。
ベンチ。
みんなが撮った写真とは、少し違うかもしれない。
でも、それがなんとなく嬉しかった。
「次はどこで写真撮るのかな」
「楽しみ?」
「うん!」
私は頷いた。
そして、ほんの少しだけ。
次に湊くんと話せるのも楽しみだと思った。
まだ、知り合ったばかりなのに。
そんな自分が少し不思議だった。
