俺にだけ弱さを見せろ~無口な生徒会長の過保護な溺愛命令~
昔から何をやってもそこそこできた。それで皆にすごい子だと勘違いされちゃったんだ。

皆の手助けができるのは嬉しかったし、私で良ければ手伝いたかった。

皆からの頼みを聞いていた。そしたらいつの間にか私は毎日誰かの頼みを聞き、サポートしてる気がする。


「……はぁ。瀬莉奈、またそうやって安売りしてる」

呆れたような、けれどどこか心配そうな声が頭上から降ってきた。

見上げるとそこには肩まで届く黒髪をゆるく巻いた、柔らかい雰囲気の少女が立っていた。

私の唯一無二の親友、二階堂幸だ。

幸は自分の席から椅子を引き寄せて私の隣に座ると、頬杖をついて私をじっと見つめてくる。

「安売りなんてしてないもん。みんな困ってたし、私に出来ることなら手伝ってあげたいなって思って」

「それが瀬莉奈のいいところだけど、一番ダメなところなの。瀬莉奈のその『なんでも出来る器用さ』に、みんな甘えてるんだよ? 瀬莉奈自身が自分の時間を削って裏でどれだけ努力してるか、あの子たちは何にも分かってないんだから」

幸の言葉は、痛いくらいに私の心に突き刺さる。

私の本当の姿を知っているのは、世界中で幸だけかもしれない。

私には弟と妹がいて、昔から「お姉ちゃん」としてしっかり者になることが多かった。

「瀬莉奈は良いお姉ちゃんね」「とてもいい子だな、瀬莉奈」とお母さんやお父さんに褒められるのが嬉しかったし、弟や妹が「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と頼ってくれるのも嬉しかったから。
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