最後の謎は君だった
「ねえ、聞いた?」

「昨日の答案のこと?」

「そうそう。浅井さんの机から出てきたって……」

 足が止まりそうになった。

 やっぱり。

 昨日のことは、もう噂になっている。

 胸の奥が重くなる。

 私は何もしていない。

 それなのに。

 「答案を盗んだ子」という言葉だけが、ひとり歩きしている気がした。

 席に座って、鞄から本を取り出す。

 本を開けば、少しは落ち着く。

 そう思った。

 
< 15 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop