ほな、えっちしようか?
「思い出した?」

「いや……なんとなくですけど」

オヤジさんが、昨日と同じ酒を俺の前に置いた。

大滝先輩がグラスを持ち上げる。

「ほんで、ここでもう一回乾杯した」

「二回も?」

「したした」

俺もグラスを持つ。

「ほな、昨日と同じように」

「乾杯」

グラスを合わせ、日本酒を口にした。

「あ……これや」

「やろ?」

味は覚えてる。

けど、その先が出てこない。

「でな、この辺から悠が会社の愚痴言い始めてん」

「俺が?」

「めちゃくちゃ言うとったで」

「……何を?」

先輩はニヤニヤしながら俺を見る。

「部長は無茶振り多すぎるとか、納期決める前に現場に聞けとか」

「うわぁ……」

「あと、ウチにも文句言うとった」

「先輩にも!?」

「せや。結構ボロクソにな」
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