ほな、えっちしようか?
「いやいやいや、絶対嘘や!」

「なんでウチが嘘つかなあかんねん」

「俺、そんなことするタイプちゃいますって!」

「酔っぱらった悠に言うて」

俺は両手で顔を覆った。

最悪や。

よりによって、会社の先輩に。

しかも、この店で?

「……オヤジさん」

「なんや?」

恐る恐る、カウンターの向こうを見る。

「昨日……見てました?」

オヤジさんは一瞬黙ったあと、豪快に笑った。

「あぁ、見た見た。熱烈なキスやったなぁ」

「うわぁぁぁぁ!」

俺はその場に突っ伏した。

「もう二度とこの店来られへん……」

「今日来とるやん」

「先輩が連れてきたんでしょうが!」

大滝先輩は、腹を抱えて笑っている。

そして俺の耳元に顔を寄せた。

「ほんでな、悠。こっからが本番やで」
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