ほな、えっちしようか?
三杯目を飲みながら、俺は必死に昨日の記憶を探った。

会社の愚痴。

大滝先輩の笑い声。

オヤジさんのおでん。

断片的には浮かんでくる。

けど、肝心なところだけが抜け落ちている。

「ほんでな」

大滝先輩が、空になった俺のグラスを見る。

「問題は次や」

「……問題?」

「四杯目」

「まだ飲んだん!?」

「飲んだ」

先輩が笑いを堪えるように口元を押さえた。

「この辺から、悠だいぶ酔っぱらっとったで」

「でしょうね」

「ほんで――」

先輩が俺の顔をじっと見る。

「突然、ウチにチュウしてきた」

「…………は?」

手に持っていたグラスが止まる。

「俺から?」

「悠から」

「嘘や」

「ほんま」

先輩は、ニヤッと笑った。
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