最強ヴァンパイアに溺愛されています!
「危ない」

ルカの腕がするりと美月の肩を引いた。
バランスを崩した体が、そのままルカの胸元に収まる。

「……っ」

近い。
昨日より近い。
朝なのに、胸の音がうるさすぎる。

「ちゃんと前見ろ」

低い声が頭上から落ちてくる。
けれど叱るというより、ひどく甘やかな響きだった。

「ご、ごめん」

「謝らなくていい。お前は俺のそばにいればいい」

あまりにも自然に言われてしまい、美月は顔を上げられない。
ルカはそんな美月を見て、小さくため息をついた。

「ほんとに無防備だな」

そう言いながら、今度は手を取る。
指先が絡むのではなく、逃がさないようにやさしく包まれる形だ。

「人が多いから、このまま行く」

「……うん」

断れるわけがなかった。
むしろ、少し嬉しいと思ってしまう自分がいる。
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