最強ヴァンパイアに溺愛されています!
連れて行かれたのは、本校舎の屋上へ続く階段の途中にある小さな踊り場だった。
普段はあまり使われていないらしく、人の気配がない。

窓から明るい昼の光が差しこんでいて、夜の旧校舎とはまるで違う。
なのにルカとふたりきりになるだけで、同じくらいどきどきする。

「座れ」

ルカに言われて、踊り場の段差にそっと腰を下ろす。
そのすぐ隣に、ルカも座った。

近い。
肩が触れそうなくらい。

「お腹すいてないの?」

美月がたずねると、ルカは少しだけ目を細めた。

「……別の意味で空いてる」

「えっ」

言われた意味に気づくまで、一瞬かかった。
そのあと一気に頬が熱くなる。

「る、ルカくん……!」

「冗談じゃない」

さらっと返されて、余計に困る。
ルカはそんな美月を見ながら、ふっと息をついた。

「朝からずっと我慢してた」

低い声が、静かな踊り場に落ちる。

「お前の近くにいないだけで落ち着かなかったし、昼まで長すぎた」

真っ直ぐにそんなことを言われると、胸がぎゅっとなる。

「私も……少し、会いたかった」

小さな声で返すと、ルカの表情がぴたりと止まる。
そして数秒後、片手で顔を覆うようにして小さくため息をついた。

「……そういうの、本当に反則」

「え」

「可愛すぎて理性が危ない」

真顔で言われてしまって、美月はまた真っ赤になる。
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