最強ヴァンパイアに溺愛されています!
ルカは手を下ろすと、今度は静かに美月を見つめた。
さっきまでよりずっと熱を帯びた目だった。

「昨日も言ったけど」

「う、うん」

「怖いなら、やめる」

その言葉に、美月はどきりとする。

昨日の放課後、額にキスをされたあと、やさしく吸血された。
痛みは少しだけだった。
それよりも、胸の奥が甘く震える感じのほうが強く残っている。

今も思い出すだけで、首筋が熱くなる。

「……怖くない」

美月がそう答えると、ルカの喉が小さく動いた。

「本当に?」

「うん」

「昼間だぞ」

夜じゃない。
月もない。
明るい場所で、ふたりきり。
それなのに、ルカにだけこんな顔を見せてしまう自分がいる。

「それでも、ルカくんなら……いい」

言った瞬間、ルカの瞳が揺れた。
そのままゆっくり手を伸ばして、美月の頬にふれる。

「……俺を甘やかしすぎ」

「甘やかしてるのはルカくんのほうでしょ」

思わず言い返すと、ルカが一瞬だけ目を丸くする。
それから、すごくやわらかく笑った。

その笑顔がきれいすぎて、息をのむ。

「そうかもな」

囁いて、ルカは美月の肩をそっと引き寄せる。
やさしい力なのに、逃げられないくらい大事に抱き込まれる。

「目、閉じて」

言われるままにまぶたを閉じる。
するとまず、こめかみのあたりにふわりと唇が触れた。
不意打ちみたいなやさしさに、胸がどくんと鳴る。

「る、ルカくん……」

「緊張してる」

「だって……」

「大丈夫」

低く甘い声が落ちてきて、それだけで力が抜けそうになる。

ルカの指先が、美月の髪をそっと耳にかける。
それから首筋へ、やさしく触れた。

ぞくりと小さく震えると、ルカの腕が安心させるみたいに背中をなでる。

「そんなに怖いか」

「怖いっていうか……どきどきしてるの」

正直に答えると、ルカが小さく笑う気配がした。

「俺も同じだ」

そのひと言に、胸の奥がじんわり熱くなる。

次の瞬間、首筋にひやりとした感触が落ちた。
唇がそっと触れて、呼吸が止まりそうになる。
それから、かすかな痛み。

「……っ」

思わずルカの制服をきゅっとつかむ。
するとすぐに、背中を支える手が少しだけ強くなった。

痛いのはほんの一瞬だった。
そのあとは、なぜか甘いしびれみたいな感覚が広がっていく。
胸の奥がふわふわして、体の力が抜けてしまいそうになる。
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