最強ヴァンパイアに溺愛されています!
静かな踊り場に、昼の光がやさしく落ちている。
ルカの肩に少しだけ寄りかかったまま、美月はまだ速い鼓動を落ち着かせようとしていた。

「昼にするの、初めてだ」

ルカがぽつりと言う。

「そうなんだ」

「昼でも欲しくなるくらい、お前が特別ってこと」

あまりにもまっすぐで、また頬が熱くなる。

「そんなこと言われたら、どうしたらいいか分かんない」

「困ってろ」

「ひどい」

「その顔、俺だけに見せて」

さらりと独占するように言われて、美月はもう反論できない。

ルカはそっと美月の首元を見つめると、指先で制服の襟を整えた。
痕が見えないようにしてくれているのだと分かって、胸がきゅっとなる。

「戻れるか」

「うん。もう大丈夫」

立ち上がろうとすると、少しだけふらついた。
その瞬間、ルカがすぐに腕を支える。

「やっぱりまだだめだ」

「平気だよ」

「平気でも支える」

言い切られて、そのまま手を取られる。
指先がやさしく絡められて、胸の奥がまた甘くなる。

「教室戻ったら、ちゃんと飯も食え」

「うん」

「あと、午後眠そうなら俺のせいだから許す」

「それはちょっと困るかも」

「じゃあ放課後、また甘やかす」

その言葉に、美月は思わず目を見開く。
ルカは本気なのだと分かるから、余計に恥ずかしい。

でも、嫌じゃない。
むしろ少し嬉しいと思ってしまう。

昼休みの終わりを告げる予鈴が、遠くで小さく鳴りはじめた。
ふたりだけの秘密の時間が終わる。

けれどその短い時間だけで、またひとつ距離が縮まった気がした。
誰にも知られない昼の秘密。
それを分け合ったのがルカでよかったと、自然に思えてしまうくらいに。
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