最強ヴァンパイアに溺愛されています!
ようやく少しだけ距離が戻る。
でもつないだ手は、そのままだった。

「送る」

「うん」

「家着くまで離さない」

「……うん」

答えるたび、ルカの目元が少しだけやわらぐ。
その変化を見るのが嬉しくて、美月もつい小さく笑ってしまう。

「なに」

「なんか、嬉しそうだから」

「嬉しい」

あっさり認められて、また胸がきゅっとなる。

「お前が俺の隣で、ちゃんと照えてるのが」

「そ、それはもう言わないで……」

「無理」

ふたりでまた歩き出す。
夕焼けは少しずつ群青に変わっていって、通学路に落ちる影も長くなる。

恋人じゃない。
まだはっきり言葉にしたわけでもない。
なのにこんなに甘くて、こんなに満たされない。

あと少しで届きそうなのに、まだ届かない。
そのじれったささえ、今は愛しく思えてしまう。

ルカの手のぬくもりを感じながら、美月はそっと願ってしまった。
また明日も、こうして隣を歩けますようにと。
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