最強ヴァンパイアに溺愛されています!
「うそ、まじで?」

夜斗が楽しそうに笑う。

「ついにって感じじゃん」

「ついにって……」

美月があわあわしていると、奏多がしゅんと肩を落とした。

「負けました……」

その声があまりにも分かりやすくて、思わず申し訳ない気持ちになる。
でも次の瞬間、奏多は顔を上げてにこっと笑った。

「でも美月先輩が幸せならいいです」

「奏多くん……」

「たまには俺のことも構ってくださいね」

「そこは譲らないんだ」

夜斗が笑ってつっこむ。
玲もくすっと笑い、冬真は静かなまま美月を見ると、小さく一度だけうなずいた。

それだけで、祝ってくれているのが分かった。

「ありがとう……」

胸の奥がじんわりあたたかくなる。
みんなに見守られていたからこそ、ここまで来られた気がした。

するとその横で、ルカが少しだけ不機嫌そうに言う。

「構う必要はない」

「九条先輩、最後まで独占強いですね」

奏多がすぐ返す。

「当たり前だろ」

ルカは迷いなく言い切った。

「こいつは俺の恋人なんだから」

教室がまた一段大きくざわめく。
美月はもう限界だった。

「る、ルカくん……!」

名前を呼ぶと、ルカがちらりとこちらを見る。
その目が、びっくりするくらいやさしい。

「何」

「もう少し、こう……」

「隠せって?」

言われて、美月はうっと詰まる。
少しだけそう思った。
でも本当は、こんなふうに大事にされているのが嬉しい。

黙ってしまった美月に、ルカはほんの少しだけ口元をゆるめる。

「無理」

短く言って、そっと美月の髪に触れた。
朝の教室だというのに、その仕草はひどく甘かった。
< 83 / 84 >

この作品をシェア

pagetop