パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 愛人を作り、子どもまでいたのだ。母のため、私たち家族のためだけに働いていたわけではない。その事実を知ってしまった今となっては母が最期まで父の本当の姿を知らずに逝けたことだけは、幸せだったのかもしれないと思ってしまう。

 そんな今さら答えの出るはずもないことを考えながら、ダイニングテーブルに並んだ食器をキッチンへ運び、食洗機に入れたあと、自分の朝食代わりのおにぎりを立ったまま口にした。

 家を出たい、そう思う気持ちはもちろんある。この家には母との思い出もあるけど、母は私が幸せになるためなら許してくれると思う。だけどどうしても父が認めてくれない。しかも、仕事もフリーランスとして頑張ってはいるものの、家のことをしながらでは思うように働く時間を取れない。そのうえ、稼いだお金のほとんどを家に入れているため、ひとり暮らしをするための費用もなかなか貯められずにいた。

 時計へ目を向ける。
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